処遇改善加算の
手引き

処遇改善加算について、解説します!

処遇改善加算とは?

職員の賃金改善に充てることを目的に創設された加算です 。

処遇改善加算の取得および支給内訳は、職員に周知する必要があります。

加算金額の決定方法

利用者一人あたりの処遇改善加算単位数 = (請求単位数)×(処遇改善加算率)

事業所全体の加算金額 = 各利用者の処遇改善加算の合計単位数 × 地域単価

請求額によって金額が決まるため、毎月加算の入金額が変動します。
サービスの利用回数や利用者数が多いほど、事業所に入金される処遇改善加算の金額も多くなります。

加算率について

処遇改善加算の加算率は、サービス毎に異なります。
また、処遇改善加算を算定できないサービスもあります。

【処遇改善加算を算定できないサービス一覧】
介護:(介護予防)訪問看護、(介護予防)訪問リハビリテーション、(介護予防)福祉用具貸与、特定(介護予防)福祉用具販売、(介護予防)居宅療養管理指導、居宅介護支援、介護予防支援

障害福祉:移動支援、計画相談支援、障害児相談支援、地域相談支援(移行)、地域相談支援(定着)、就労定着支援、自立生活援助

加算区分の違いは?

加算率が高い順に区分Ⅰから区分Ⅲまで、全3区分あります。
※加算区分ⅣとⅤについては、令和3年度より廃止されたため、新規の申請はできません。

各区分の算定要件

「キャリアパス要件Ⅰ」は職位、職責または職務内容等に応じた任用等の要件やそれに基づいた賃金体系を定める内容です。

「キャリアパス要件II」「職場環境要件」は、資格取得サポートやミーティング実施など、賃金改善以外で働きやすさを改善する取り組みについての内容です。「キャリアパス要件III」は昇給の仕組みについての内容です。

申請〜入金の流れは?

加算の算定は、基本的に申請月の2ヶ月後です。
入金は、算定開始月の2ヶ月後になります。

新規取得申請および区分変更申請は、年間を通じていつでも行うことができます。
提出締切は、毎月月末です。
申請書類提出から算定までに2ヶ月かかりますので、ご注意ください。

加算の支給方法は?

処遇改善加算は、基本給の増額や賞与・手当の支給等に活用できます。

処遇改善加算は、【職員の賃金改善に充てること】を目的に創設された加算です。
処遇改善加算を使うことができる経費は、賃金改善に関わる経費のみです。
研修費や交通費として使うことはできません。

計画を立てる際は、ご注意ください。

加算金額の支給対象者について

処遇改善加算の支給対象者は、【実際にサービスに従事している職員】です。
サービスに従事していない職員は、対象外となるのでご注意ください。
例:送迎ドライバー、調理員、事務員、代表者、役員等
また、看護師やケアマネジャーも支給対象外です。
対象職員であれば、正規・非正規問わず、支給対象となります。

加算総額についての注意点

処遇改善加算の取得条件の1つとして、以下の条件を満たす必要があります。
処遇改善加算の総額(実際の入金額) < 賃金改善の総額(職員への支給総額)
※入金額より1円以上多く支払う必要があります。

上記の条件を満たすために、賃金改善実施期間の設定を工夫するなど、支払額の調整ができる計画を立てることをお勧めします。

申請に必要なもの

就業規則、賃金規程(あれば)、労働保険加入証明書の資料が必要です(提出は原則不要ですが、自治体によっては提出が必要な場合があります)。さらに、賃金改善計画を立てて、 計画書を作成する必要があります。

賃金改善計画では、処遇改善加算の支給について具体的な計画内容を明記します。以下の条件を満たすように計画を立ててください。

処遇改善加算の総額(実際の入金額)<賃金改善の総額(職員への支給総額)

見込額は、見込額計算ページで計算できます。

見込額(年間)を計算する

年度更新・報告手続きが必要

加算を算定するには、毎年2月末に年度更新、毎年7月末に報告の手続きが必要となります。
(※令和3年度法改正時点)

更新手続きでは、次年度の処遇改善加算見込額を計算し、賃金改善計画を作成し直します。

加算取得の次年度からは、毎年7月末に実績報告書の提出が義務付けられています。
具体的な内容は、以下の通りです。

・前年度の処遇改善加算の総額
・職員の賃金総額
・処遇改善として使った賃金改善の総額
・賃金改善の内容(項目名および実施月) ※実績報告書への記載は原則不要ですが、自治体によっては必要になります。

ベストパーソンでは、年度更新および報告手続き代行サービスも承っております。処遇改善加算を取得された後も、どうぞご利用ください。

特定処遇改善加算とは?

特定処遇改善加算とは、経験・技能のある福祉・介護職員に対する処遇改善として、従来の処遇改善加算に上乗せして算定される加算です。
算定するには、処遇改善加算の要件に加え、見える化要件等を満たす必要があります。

加算区分の違いは?

特定処遇改善加算は、区分Ⅰと区分Ⅱの2区分があります。上位区分である区分Ⅰを算定するには、区分Ⅱの要件に加え、サービスごとに定められた加算の算定が必要です(下表)。

特定処遇改善加算Ⅰを算定するために
必要な加算

介護
サービス種類 加算名称
訪問介護 特定事業所加算ⅠorⅡ
夜間対応型訪問介護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
(介護予防)訪問入浴介護 サービス提供体制強化加算ⅠorⅡ
通所介護
地域密着型通所介護
(介護予防)通所リハビリテーション
(介護予防)認知症対応型通所介護
(介護予防)小規模多機能型居宅介護
看護小規模多機能型居宅介護
(介護予防)短期入所生活介護
介護老人保健施設
(介護予防)短期入所療養介護(老健)
介護療養型医療施設
(介護予防)短期入所療養介護(病院等)
介護医療院
(介護予防)短期入所療養介護(医療院)
(介護予防)特定施設入居者生活介護 サービス提供体制強化加算ⅠorⅡ
地域密着型特定施設入居者生活介護 もしくは入居継続支援加算ⅠorⅡ
介護老人福祉施設 サービス提供体制強化加算ⅠorⅡ
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 もしくは日常生活支援加算
療養通所介護 サービス提供体制強化加算Ⅲイorロ
障害福祉
サービス種類 加算名称
居宅介護 特定事業所加算
重度訪問介護
同行援護
行動援護
療養介護 福祉専門職員配置等加算
生活介護
自立訓練(機能訓練)
自立訓練(生活訓練)
就労移行支援
就労継続支援A型
就労継続支援B型
共同生活援助(指定共同生活援助)
共同生活援助(日中サービス支援型)
共同生活援助(外部サービス利用型)
児童発達支援
医療型児童発達支援
放課後等デイサービス
福祉型障害児入所施設
医療型障害児入所施設
重度障害者等包括支援 配置等要件がないため、
特定処遇改善加算は1段階
施設入所支援
居宅訪問型児童発達支援
保育所等訪問支援

加算の支給方法は?

特定処遇改善加算の支給にあたっては、職員をA・B・Cの3グループに分ける必要があります。

Aグループ…経験・技能のある福祉・介護職員
Bグループ…その他の福祉・介護職員(サービス管理責任者等も含む)
Cグループ…その他の職員(ケアマネジャー、看護師、事務員等 ※年収440万円以上の人を除く)

※…介護福祉士の資格を持ち勤続10年以上の職員が基準となります。また、障害福祉サービスでは、介護福祉士のほか、社会福祉士、精神保健福祉士、保育士、心理指導担当職員、サービス管理責任者、児童発達支援管理責任者、サービス提供責任者が対象になります。年数に関しては、「他社での経験を含めて10年以上」や「勤続5年」とすることも可能です。また、Aグループにあてはまる職員がいなくても特定処遇改善加算は算定可能です。

支給方法は処遇改善加算と同じく自由ですが、1年間の賃金改善額がA>B>C、かつB:C=1:0.5以上になるよう配分する必要があるため注意が必要です。
ただし、Cグループの平均賃金額がBグループの平均賃金額より低い場合はB:C=1:1で配分することができます。(令和3年時点の情報です)